今行かねば冬が来る
私の出身地は石川県の南側の加賀地方。しばらく石川県から出ていた期間もありますが、トータルで22年程は住んでいます。ただ石川県の北側の能登地方って車でもかなり時間がかかるので、ほとんど行ったことがないんですよね。ロードバイクに乗るようになってここ2年でようやく足を延ばすようになってきた程度です。
湖がや半島があればぐるっと1周してみたくなるのは自転車乗りの性。いつかは能登半島の先っちょの方まで泊りがけで走りに行きたいなと思っていたんですよね。今年はコロナのせいで思うようにロングライドができていませんでした。もう10月も半ば。今行っとかなければもう冬が来る!
ルートは能登半島をなるべく海沿いに。能登半島ってどこからどこまで?1周ってやっぱりスタート地点まで戻ってこなけりゃダメかい?俺何キロ走れるの?などを考慮した1日目のルートがこちら。
道がある限りなるべく海沿いを。距離は140㎞ほどで時間に余裕があるので前半はゆったりと自転車道を使いつつ、金沢から輪島まで目指します。高くても標高50mの割と平坦な道が続いておりますが、110㎞あたりから山越えが待ち受けてますね。総獲得標高は1150mくらいとなっております。
能登半島を泊りがけで旅するうえで重要な宿泊施設ですが、1日目の目的地の輪島か半島の真ん中の能登島付近にある七尾、和倉温泉あたりが宿泊施設が充実していて見つけやすいです。その他の場所は民宿が多いかな。
思いついて3日で出発
ぐるっと能登ライド、思いついて宿の予約して3日後に出発です。最近生活リズムが乱れていてなかなか寝付けず。寝れないのなら早めに走り出してしまえばよい。本日の宿には温泉もあることだし行った先でゆっくりすればよい。1時間しか寝てないが、予定を早めて自宅を4:30に出発です。気温は12℃、さみーです。
はい、まずはいつもの出発地点である金沢駅へ。時刻はまだ4:50。さすがにこんな時間には鼓門ライトアップしてないのね。
ここからまずは海沿いにある能登海浜自転車道へ(いしかわのサイクリングロード http://www.pref.ishikawa.jp/douken/jitensya/noto/)。金沢駅から9㎞。
30分もかからずに到着したので...当然まだ真っ暗。こえーです。
景色は全く見えませんが、これはこれでいつもと違った見え方が。
能登海浜自転車道は自動車専用道路の、のと里山海道に沿うように33.6㎞整備されています。ここはかなりきれいに整備されている所。すぐ左は海だったり松林だったり砂浜だったりです。タイミングが悪いと道が砂で埋もれていたり脇から草ボーボーだったりするのですが、この日は今まで通った中では一番路面状況がよかったな。
もうすぐ夜明け。
真っ暗であんまり写真撮ってなかったので、こちらは別日に撮った写真で補足。ここまで海が近いのはごく一部ですけどね。
道の駅 高松 にて休憩。ベンチでコーヒーとアンパンもしゃもしゃ。すぐ後ろに売店とか食事処があります。能登海浜自転車道はここ以外には補給場所も自販機もないですよ。
この日の天気は残念ながらどんよりです。
そして千里浜なぎさドライブウェイ。砂浜を車で走れる日本では唯一の道です。長さは8㎞ほど。朝の7時なのでだーれもおらず。25cのタイヤでも車が走り固めた場所か、波打ち際の湿った場所ならなんとか走れますよ。舗装された道から砂浜に突っ込むときはクリートを外しておきましょう。砂にタイヤを取られてスっ転びそうになりますから。
なんかいきなり能登半島ライドのクライマックス持ってきてしまったような気がする。ここをゴールにして夕日を眺めながら走るのがよさそうな気はしたんですが、半島は右回りの方が海に近い方を走れるので仕方なし。自転車は砂々になります。埋もれはしないですが砂地なので地味に足を使わされます。すぐに右ひざが痛くなる病がじんわりと発病。まだ先は長いのになぁ...
千里浜を抜けるとほどなく能登海浜自転車道も終わりです。そのまま羽咋健民自転車道(いしかわのサイクリングロード http://www.pref.ishikawa.jp/douken/jitensya/hakui/)に突入です。
すぐに見えてくる大鳥居。ちょっと寄り道して 能登國一宮 気多大社へ。
古くは万葉集にも記載があるらしい由緒ある神社です。旅の安全とひざの健康を祈願。
羽咋健民自転車道を途中まで走ります。この道お気に入りです。時期によってはこの道、カニが大量に現れます。私は避けようとして海に落ちかけたことがあります。
松林を抜けて。
ひたすらまっすぐな道って気持ちがいいですよねー。ってここまでずーっとゆるゆる自転車道を走っていたらついに平均時速は17㎞/hを割り込みました。時間はあるんじゃがさすがにこれは遅すぎじゃ?っと我に返った。自転車道を外れてスピードを上げていきます。
この辺りまでは砂浜の海沿いを行くのでほぼまっ平ですが、だんだんと砂浜から岩場に変わってきて地味なアップダウンが増えていきます。せいぜい標高50m程まででなのですが積み重ねると後半にきいてきます。
こちら旧福浦灯台。現存する日本で一番古い木造灯台で、1876年(明治9年)築だそうな。狭い道を進んだわかりずらい所にあるので、知らなきゃたどり着けないだろうな。こんなんあるのずーっと知らんかったわ。
江戸時代は北前船で栄えたそうです。この日は釣り人で栄えてました。
巌門。浸食により岩にぽっかり穴が開いて門のようになっているらしいんですが、遊覧船に乗らないとダメですね。さすがにそこまで寄り道しておられんよ。
機具岩。ごつごつした奇岩が増えてまいりました。
世界一長いベンチで本日二回目の休憩。この地点で半分くらい走ったところですね。時刻はまだ午前10時半。天気がいまいちなせいでどんよりしておりますが、
こちらは別日の写真。晴れているとこんなにきれいな海ですよ。残念!!
ニャー!!
鹿頭と書いてシシズと読む。猫の次はバス停からゆったりと狸が出てきて堂々と道の真ん中を歩む。
狸ってなんて鳴くんですかね?
ヤセの断崖から。ヤセってなんでしょうね?松本清張の「ゼロの焦点」の舞台にもなったらしいので、今度読んでおこうって思ってたのすっかり忘れてました。断崖自体は上から見ただけじゃ良さはよくわからんかったですね。
あとからマップ見ていて気付きましたが、ここから200m程戻ったところにある「義経の舟隠し」の方が良さげでしたね。またいつか行こう。
ここのすぐ後、鳴き砂のある琴ヶ浜にもよる予定でしたが気づかずにスルーしてしまいました。またいつか行こう。
輪島市門前にある廻船問屋住宅の旧角海家。この辺りにある住宅は外観に規制があるのでしょうかね?どの建物も統一感があってとてもいい雰囲気ですよ。電柱と電線がなければなおいいんですがね。メインの海沿いの道から、ちょっと裏道を走ってみてください。
そしてこの辺りで走り始めて大体100㎞。住所的には目的地と同じ輪島市に入りました。
時刻は12時過ぎなのでお昼ごはんを。門前そばなんてものがあるらしいので国道249号沿いの「そば禅」にて...のと豚カレーを食す。写真はなし。
腹ごしらえをして13時過ぎ。残すところ40㎞。日暮れまでには余裕で着くな。っとこの時点では思っていたが、ここからは海を外れて山に向かいます。国道249から県道38へ。
わぁーいお花がいっぱい!!
あっちゅう間に山の中です。最高地点は標高190m程ですがほぼ上り一辺倒。後半にかけて10%越えの坂が現れます。100㎞走ってきた週末ライダーにはきついです。右ひざが痛いです!
そして海まで一気に下りです。見事なヘアピンカーブですねここ。
男女滝と書いてナメタキと読む。坂の途中にあります。
そして海まで。上大沢 間垣の里。冬の日本海の北風から家屋を守るために集落全体を背の高い竹垣で囲んであり、なかなか珍しい風景です。海と山の狭間で冬はなかなか過酷そうな場所ですね。自転車では無理だけど冬にも来てみたいですな。
なんか朝ドラのロケ地にもなったそうですね。見てないけど。
上大沢を後にするとかなりきつめのアップダウンが連続します。能登半島の北側に出るとここまで走ってきた風景とはまた違ってきて、かなり荒々しい地形を感じ取れます。そしてひざが!ひざが悲鳴を...
体力的にはかなりきついですが景色は最高です!山越えとこちらの海沿いの県道38を回避して国道249を直進するルートの方が楽なんですが、私は絶対こちらのルートをお勧めしたい。荒々しい地形のぶん絶景が楽しめます。
こちらの大沢も真垣で囲われた集落です。
この坂を上り切れば、あのカーブの向こう側には...絶望の連続です。海面付近まで下りてはこれくらいまで登らされます。わたし高い所怖いのでスマホを持つ手が震えます。
最後の山場を越えて走ってきた方向を振り返る。日が落ちるのが早くなってきました。時間的には余裕でしたが右ひざがもう限界です。すぐ後ろの岬を超えればもう目的地の輪島市街地。
本日のゴール地点、輪島キリコ会館前に到着。時刻は15時40分でたっぷり時間を使っての到着です。本日の走行距離140㎞、獲得標高1166m。距離はそれほどでもなかったんですが、やっぱり後半の山越えとアップダウンがきつかったなぁ。私の右ひざ何とかならんもんかなぁ、と思いながら港を眺めなつつベンチで一服。
かけ流しの天然温泉もあるホテルの窓からオーシャンビュー。風呂でじっくり疲れを癒す。
夕食は海鮮丼とフグの天ぷらです。輪島ってフグの水揚げ日本一らしいです。知らんかったわ。
そして前日1時間しか寝ずに走り続けていたので、ホテルに戻ったら19時過ぎに即寝落ち...