ペダルのベアリングが...
私の愛用しているペダル Look keo 2 Max 。使い始めて5年半くらい経ちましたがベアリングが錆びました。去年のオーバーホール時に気づいたんですが、回転させるとわずかにシャフトにシャリシャリ感が伝わってくる程度だったので、そのままさらに1年使い続けていました。
そして今年の4月のオーバーホール。シャリシャリ感は悪化してはいないんですが、このまま使い続けるのはなんか気持ちが悪いのでベアリング交換してやろうかなと思ったんですが、どうやらルックのペダルは特殊な寸法のベアリングを使っているようなので手に入らない。
5年半も使ったし新しいペダル買うか。
新ペダル選定
新たなペダルの選定ですが、Look は今まで使ってて他のも使ってみたいから除外し、Shimano 、Wahoo 、Time の中から選びます。
- シマノ:仕組みはルックと大して変わらん、補修パーツが手に入りやすい。
- ワフー:ペダル両面キャッチ、細かなクリート調整、高い、補修交換パーツも高い。
- タイム:ひざに優しいと評判、クリートがめっちゃ削れる。
自分でざっくり調べた感じはこんなもんでした。シマノは今回のように悪くなったパーツを交換して長く使っていくには良さげ。ワフーは独自の両面キャッチが魅力でこれにしようかなと思ったんですが、最安モデルでも買うのも維持するにも結構な金額がかかる。タイムは膝に優しいらしいので故障持ちの私には魅力的だが、そこそこお高いクリートがすぐにすり減るらしいので、これも維持費が気にかかる...。
毎度のことながらお金はあまり使えないのでコスパ優先での選定です。散々ネットをさまよっていたら見つけました。
TIME XPRESSO 1 税込み¥5,390
やっすい。ちゃっちぃ。色がダサい。現行モデルから2世代前。と色々ケチをつけるところがたくさんありそうなのですが、安さに負けた。タイムのペダルをお試しするにはこれでいいし、気に入らなくても5千円ならまぁいいか。うん、もうこれでいいや。
TIME XPRESSO 1 の詳細
TIME XPRESSO 1 の詳細を見ていきましょう。
まず箱が中古か?ってくらいボロボロで驚きました。長いこと売れ残ってたんかな?
XPRESSO 1 は Time のロード向けペダルの最廉価モデルですね。現行モデルから2世代前のやつです。機能的には上位モデルと同じですが樹脂製ボディにスチールシャフト、踏み面には金属プレートすらないのでコスト重視なのが見て取れます。しかし定価で¥5,390はやっすいなぁ。まだ海外自転車通販サイトが健在だったころには¥4,000くらいで売られているのを見かけましたが、安すぎて逆に手を出しませんでした。かっときゃよかった。
2016年に発売されてその後、XPRESSO 2 、XPRESSO 4 B1 へとモデルチェンジしています。1のダサい色や側面のプリントが変更されている程度でおそらく機能的には変更はないですが、値段は倍以上に跳ね上がってます。
私は2024年5月に【ワイズロードオンライン】
TIME のペダルは2024年4月にもラインナップが一新されています。旧品 XPRESSO 4(踏み面金属プレート)と現行品 XPRESSO 4 B1(踏み面プラスチック)が混在している状態なので XPRESSO を買おうとしている方は要注意です。
TIME の代理店 Many’S の HP https://manys.work/time でチェックしてみるとよろしい。
踏み面がプラスチック感丸出し。ひとつ上のグレードは踏み面に金属プレートが付きます。しかしこの色よ...
ちなみに踏み面は交換可能なようで、金属プレートの付いた踏み面が別売りしてますが5千円くらいします。こいつがもう一個買えるじゃないか。
ルックのペダルは金属のバネを使ってますが、タイムはカーボンの板バネを使ってます。すごくシンプルな機構でよく考えられてます。
ただしその分タイムの方がサイズは縦長。
シンプルでかわいさすら感じてくる側面の1。1の左部分にマイナスドライバーを突っ込んで回してやればバネの強弱を三段階で変更できます。
しかし外観を見ていて思ったんですが、シャフト以外はほぼプラスチック。エッジの部分はバリも残っていたりで荒っぽさと安っぽさを感じます。まぁ実際に安かったんで文句は言えない。
クリートをシューズに取り付けです。クリートは三つ穴タイプでぱっと見ではわからないですが左右で反転させたような形状になっています。クリート取り付けですが上下方向と角度は左右に5度ずつ設定できますが、左右の位置(Qファクター:クランクからクリート中央までの距離)はクリートの左右を入れ替えることで51.7㎜か54.3㎜の2つから選べるようになってます。なのでいつも信号待ちで付け外しする左側がすり減ったので左右を入れ替える、なんてことをするとQファクターも変わってしまいますね。ミリ単位で左右位置も調整したい方には向かないかもしれません。
タイム独自の動き。タイムはクリートの中心あたりを支点につま先とかかとが左右に動きます。上の図では土踏まずあたりを中心に動いてますが実際はペダル軸あたりが中心となって動きます。さらに左右方向にも2.5㎜づつスライドするように動きます。さらにペダリングで足の角度が変わっても元の位置に戻そうとする力が働きます。この自由に動いて元の位置に戻る動きがタイム独自のウニウニした動きってやつですね。
シマノ、ルックはクリートのつま先部分を支点にしてかかとが左右に動く。ワフーはクリートを中心にしてつま先とかかとが動く。左右にスライドするのと元の位置に戻すのはタイムだけ。
クリートのキャッチ機構ですが、タイムはクリートをはめるのが簡単なのも特徴の一つです。クリートを外す時に開いた爪が開きっぱなしになっており、はめる時には足をのせる程度の軽い力で爪が閉じてクリートを保持します。シマノ、ルック、ワフーは広げた爪が勝手に閉じる機構なので、はめる時にも爪を広げる力が必要になる。
スタックハイト(ペダル軸の中心からシューズ底面までの高さ)13.5㎜。今まで使っていた KEO2 MAX は17.3㎜なので3.8㎜も低くなりますが、鈍感な私に感じ取れるかな?
最後に実測の重量。ペダル片側で115g、クリート43g。KEO 2 MAX は片側132g、クリート34g。タイムの方が片側8g、両側で16g軽い。まぁ私には絶対に感じ取れない差ですが、安いうえに軽いなら文句は何もない。
実走
身長167㎝、体重58㎏、エンジョイエンデュランスライダーの実走です。
歩くのはケオグリップクリートに比べてこちらの方が歩きやすいです。いちおう滑り止めを意識してか接地部分はかなり固めのゴムっぽい素材です。
まずはクリートのつけ外し。シューズをペダルにのせてやれば足の重みでパチンとはまります。KEO 2 MAX ではつけ外しの設定を一番軽くしてありましたが、それよりもやはり簡単にはまります。外す時はカチッとしたクリック感と、KEO 2 MAX よりも若干硬いかな?でも5年使ってこなれたKEOだし、正確な比較はできないかも。どちらにせよ外す時は若干程度で大差はないですね。
それよりも困ったのはベアリングの回転の渋さです。KEO 2 MAX では手で空転させるとシュルンと軽く回転した後につま先側を上にして毎回同じ位置で止まってくれるので、慣れればクリートのつけ外しはノールックでできるようになります。
タイムの場合は手で空転させるとニュルッと回ってすぐに止まる。止まる位置もまちまちなので、信号待ちで停車するたびに目で確認して裏返しになったペダルをつま先でこじってひっくり返す必要があります。これが非常にストレスになります。あと白いシューズのつま先が汚れます。私が感じたタイムペダル最大の欠点ですね。グリスが硬いんでしょうか?柔らかいグリスに交換してやりたい感じですが、シャフトを外すには一般には販売されていない専用工具が必要になります。基本的にはノーメンテ、開けるなってことです。まぁそのうちこじ開けていろいろ試してみることにします。
平地での巡行。ウニウニ動くというタイム独自の機構はあまり感じ取れず。それよりも気になったのがクリートの位置です。タイムはクリートの角度が変わった場合に元の位置に戻す力が働くので、自然にこげる角度でクリートを設定しないとライドの間ずっと気持ち悪い角度に矯正されながら走ることになります。シマノ、ルック、ワフーは元の位置に戻る力は働かないので、角度に関してはシビアにならずとも許容してくれるとも言えますね。
それと最初にQファクター51.7㎜で取り付けましたが違和感を感じたので、後日左右のクリートを入れ替えて54.3㎜で取り付けなおしてしっくりくるようになりました。タイムの場合クリートの位置設定はかなり重要になります。違和感なくペダリングできるまで何度も設定しなおすことになるでしょう。
ウニウニ動くのを感じ取れたのはダンシングでの上りと、下ハンを握って全力でもがいた時などの車体を左右に振ったペダリング時です。それもペダリングが乱れてまっすぐに踏み込めない時ですね。足の角度が乱れては元に戻る力が働く。感覚的にはウニウニ動くって表現がなるほどしっくりくる。この感覚は慣れるまで違和感があるし、いいことなのか悪いことなのか判断しかねますね。ペダリングの力が逃げてるような気もするが、無理な角度で足が固定されていないのでひざに優しいというのも理解できる。
使ったことのない人には一番気になるこのウニウニ感は、言葉でいくら説明しても伝わらないだろうなぁ。だからこそ5千円でお気軽に試せる XPRESSO 1 は価値があるんだが、この値段ではもう売ってないっす。
スタックハイトと重量の差は私には感じ取れず。
タイムのペダルは剛性が低いって意見も目にしましたが私にはそんな豪脚ありませんし、使っているシューズがエンデュランスエントリーモデルの柔らかいソールなので判断できませんでした。エンジョイ勢にはこれで十分かと思います。
800km走った後
初乗りから3カ月ほどで800㎞くらい使ったのでその後の感想を。
回転の渋さ。ペダリング中は別に回転が重い訳ではないんですが、信号待ちの度に目視してつま先でペダルをひっくり返すうっとおしさは相変わらずです。私は明け方のまだ暗いうちから走ることが多いので、足元がよく見えないなかでのペダルキャッチがストレスです。ペダルがうらっ返しのまま踏みつけると割れちゃったりするらしいので注意が必要です。これがなかったらなぁ。
ウニウニした動き。これは最初のころは戸惑いました。大げさに言うとペダル表面にグリスを塗ったような滑るような感覚がありましたが、これにはもう慣れた。まっすぐペダリングできていればウニウニも発動しないしな。
クリートは何度も設定しなおした。クリートを留めるネジは最初は緩めの方がよいです。後ろの2か所はワッシャー的なものがないので、ネジがクリートにめり込んで微調整がしずらくなります。
クリートの減り。タイムのクリートはめっちゃ減るとの評判だったので気を付けました。なるべく歩かない。発進時にけり出さない。左右均等に減るように信号待ちも右左均等にを心掛けました。800㎞でこれなら思ったよりは減ってないですね。ケオグリップクリートは5千㎞は持ちましたが、こいつも結構いけそうですね。これからもケチケチ使おうと思います。
踏み面は当然削れていきます。
今後買うならば
私の買った XPRESSO 1 は2世代前の物なので、新品ではさすがにもう売ってなかったです。
ひと世代前の XPRESSO 2 ならば7~8千円くらいでまだ売ってます。色が黒で統一されてずいぶんかっこよくなってます。うらやましい。
踏み面金属プレートならひと世代前の XPRESSO 4 。
現行世代がいいのなら XPRESSO 4 B1 です。これが1と2の後継です。なんかさらにかっこよくなってますね。1万1千~1万2千円くらいでずいぶん高くなってますが、変わっているのは外観だけでおそらく中身は1から変わってないんじゃなかろうか?あと 4 B1 とかややこしい名前つけんなや。
現行世代の金属プレート版が XPRESSO 6 B1 。4の後継です。
お試ししたいなら安くなっている2がねらい目でしょうかね。
あと前世代の時の代理店ポディウムで型落ち品が割引で売ってます。珍しいバージョンのやつとかも売ってるので見てみるといいかもです。https://www.podium.co.jp/lineup_cat/c450