必要なとこ、いらないとこ
私が乗り始めてもうすぐ一年になるロードバイク「CANYON Ultimate CF SL 7.0 2019」。こいつのおかげでずいぶんと行動範囲も広がって、見知らぬ場所に走りに出かけることが多くなりました。楽しいです。
ただし一年乗っていると自分の乗り方や脚力が分かってきて、このバイクのここを何とかしたいなとか不満も出てきます。
軽いギヤをもう一枚欲しいです。一番軽いギアまで使い切ってしまい、坂道をヒイヒイあえぎながら身をよじらせて上ることがしょっちゅうあります。
私の Ultimate CF SL 7.0 の初期ギヤはフロント52-36Tのリア11-30Tです。軽いギヤが欲しいならリアのスプロケットを32Tや34Tのやつに交換してやればよいのですが、残念ながらリヤディレイラーがショートゲージです。リヤディレイラーにはショートゲージ(SS)とロングゲージ(SG)があってそれぞれ対応するスプロケットの範囲が違います。105の7000系ショートゲージが対応する最大歯数は30Tで、それ以上のスプロケットを付けたいのならリヤディレイラーをロングゲージに交換する必要があります。
うん知ってた。Ultimate CF SL 7.0 はレーサー使用なので脚力ある人、クロスレシオ向けなの知ってた。このバイク買う前から知ってた。自分の脚力には合わないんじゃないかと思ってた。最初からエンデュランスロード買っとけって話なんですが、こっちの方がかっこよかったんじゃよ。仕方なかろうよ。
そこで注目はフロントのチェーンリング。チェーンリングの歯数を小さくすればギア全体を軽い方へずらすことができます。52-36Tを50-34Tに交換してやれば大体ですが、一番重いギアを一枚削って一番軽いギアを一枚付け足す感じですね。
ちなみに現在の一番重いギアは50㎞/h以上は出さないと使うことはありません。私の脚力ではそんなスピード下り坂か追い風でしか出せませんし、出す必要もありません。リアの11Tは完全に死にギアです。これを削って軽いギアが手に入るのならばいいじゃないですか。
初めてのチェーンリング交換
クランク周りをいじるのは初めてなので、まずはシマノのディーラーマニュアルを。クロスバイクのクランク周りはいじったことありますが、ずいぶんと勝手が違いますね。105のR7000系のフロントチェーンホイールのマニュアルを読み込めば、ボトムブラケットやクランク周りの事も書いてあります。DM-RACS001-03 です。
まずは車体をひっくり返して左クランクのボルトを外す。ん!?
おいキャニオンよ!ボルト三分の一ほどなめとるじゃないか。これクレーム入れたらボルト交換してくれるんだろうか?ドイツから?めんどくさいからやめておこう。
さらにクランクを締め付けているキャップを専用工具で外します。
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この一か所を開け閉めするためだけの専用工具 TL-FC16 ですが、これ何とかならんかね?たいしたトルクで締め付けるわけでもないですし、六角レンチとかで代用できないんですかね。安いからまだよいですが。
キャップを外したら隙間に挟まっている外れ止めプレートを外します。外れ止めプレートは向きがあるので戻す時には要注意。
左クランクずっぽし。クランクとボトムブラケットの間がグリスと砂でかなり汚れています。めったに開けないところなのでついでに綺麗にしておきましょう。
ここまでは時間にして15分程度。そしてここからが格闘の始まりです。
想定ではクランク軸をコンコンと小突いてやればスポッと抜けるはずでしたが、これがビクともしない。固着?100均で買っておいたプラスチックハンマーでさらに強くゴンゴンゴン!!!ビクともしない。こんなにきつくはまってるものなのかい?プレスフィットBBのクランクをいじるのはこれが初めてなので不安が増します。
ひとまずスマホで検索してネットの先人たちのお知恵を拝借いたします。同じようにクランク外れない記事が見受けられますが、結局やっていることはプラスチックハンマーで強くたたく!まぁそうですよね。横から強くたたくなんてベアリングに悪そうですし、フレームにもよくなさそうなんですがしょうがない。
今度はプラスチックハンマーの反発を押さえつけるようにゴスッ!と強めに打ち付けますと0.5㎜ほど動きました。けっこうな力で打ち付けて0.5㎜ですか。でもこれ以上強くは怖すぎるので、これで地道に打ち続ける事にします。
ふぅ...外れた。たぶん20分くらいゴスゴスやっていたと思います。
右クランクを抜き取って裏側からボルトを四つ外せば、チェーンリングは外せます。ここのボルトはT30のトルクスです。かなりガッチリ締め付けてありますので、刃先でザックリやらないように要注意ですね。52-36Tは私の脚力が増したら使う日が来るので、きれいに掃除して保管です。使う日が来るよねきっと。
はい、用意しておいた105R7000系の50Tと34Tのチェーンリングに交換です。
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チェーンリングは表裏があります。アウターは分かりやすいですが、インナーは刻印が入っている側が裏面です。まぁどう頑張っても正しい面と位置でしかクランクにはまり込まなくなっているので大丈夫。マニュアルのトルクを守りましょうね。
あとは外したのと逆に取り付けていけばよし。
ぐ!?今度はクランクがはまらんわい。やっぱり固着とかではなくはめ込みがきついのね。手でコンコンくらいじゃビクともしない。結局プラスチックハンマーのお世話になりました。
全部元に戻して、チェーンリング交換は終了!
あとはチェーンリングが小さくなってチェーンの張り具合も変わったので、リヤディレイラーを調整です。本当はチェーンの長さも調整しなければならないのでしょうが、来月辺りにオーバーホールしてやろうかと思っていますので今回はリヤディレイラー調整でなんとかして終了。っと思ってたんですが、チェーンリングが小さくなったってことはフロントディレイラーも調整が必要ですね。位置調整からやり直しです。
ディレイラー調整もシマノのディーラーマニュアルにのってます。ここ見ればコンポは大概何とかなります。フロントディレイラーはDM-RAFD001-05、リヤディレイラーはDM-RAFD001-04です。
ディレイラー調整ってなかなかうまくいかないよね。めったにやらないから前やったこと忘れてるんですよね。格闘することたっぷり2時間でやっとこさ調整終了。日没により実走は翌日へ...
実走へ
それでは実走へ。アップダウンのある走りなれた定番コースで、チェーンリング交換の変化を確かめたいと思います。
平地ですがいつも使っているギヤ比なので当然変化なし。気持ち軽やかな気がしますがきっと気のせい、気分の問題。変速がバシバシ決まって気持ちよいです。調整に苦労したかいがあったわ。ちゃんと自分で調整できるとライド時のトラブルにも対応できますから、やはりメンテナンスは自分でできるようにしておくべきですね。
坂道に突入。いつもならシッティングで勾配8%もあればギアを使い切って、あとはダンシングを入れながら乗り切っていた場所もいつもより余裕をもって乗り切れます。もう一枚あるという安心感。軽いギアでクルクル回していけるのは、ロングライドでの消耗を抑えるのに助かりそうです。
下り坂。こぐのはスピードに乗るまでの最初だけ。50㎞/hオーバー?出さないので一番重いギアがなくなっても全く問題なし。
最後に定番コースで最も勾配のきつい坂へ。300m足らずの距離ですが最大勾配は13%くらいです。チェーンリング交換の調子の良さに上機嫌で突入。おおっ!こっ、これは...あっという間に一番軽いギアまで使い切りました。ここまでの坂だとクルクル回すなんて事言ってられません。きつさはこれまでとたいして変わらんな。一枚軽いのが増えたぐらいじゃ激坂はだめかぁ。ぐぅぅ...
効果は十分あったよ
今回のチェーンリング交換は私の脚力にあわせたチューンナップでしたが、とりあえず狙っただけの効果はありました。せっかくリヤ11枚あっても使わないギアがあってはもったいないです。死にギアを削って必要なギアを増やす。これまでよりもリア11枚を効率よく使えるようにはなったと思います。峠越えを含めたロングライドなんかでは効いてきそうです。
激坂に対しては効果は薄かったですが、そこはもう時間をかけて足の方を鍛え上げたいと思います。いずれそのうち乗鞍とか上ってみたいなぁ。ヒルクライムもうちょっと頑張ってみよう!