サイコンが想定外の壊れ方をしたので自分で修理

ロードバイク
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サイコンが壊れました

サイクルコンピューター(LEZYNE MEGA XL)がね、壊れました。それも想定外な形で。

サイコンをハンドルに装着して走っていた時に、なんかカタカタするなぁと思っていて、家に帰ってきて外してみたら...

サイコンのツメが3個もなくなっとるじゃないですか?!以前から1個だけ端っこが欠けているのは分かっていたんですが、さらに追加で2個なくなっとる。よく脱落しないで家まで帰ってこれたな。

サイコンが壊れる時はバッテリーの劣化とか、エラーが出て使用できなくなるとかだと思っていましたが、爪が欠けて固定できなくなるのは想定外。プラスチックが少し欠けただけなんだが大問題。マウントに固定できなくなるじゃないですか!

機能的には問題ないのに、固定できないから買い換えるとか無理です。サイコン高いですもん。

修理プラン

さて、どうやって直しましょうか?サイコンを分解したりしながら考えていたら、ふと思った。同じ症状で困ってる方が他にもいるんじゃないか?ネットで調べてみたらゴロゴロ出てきた。どうも爪折れはレザインのサイコンあるあるのようで、これはもはや設計ミスでは...?

レザインも問題は把握しているようで購入店を通じて修理対応しているようです。ただし「国内正規品(ファーストオーナー)に対する保証。 セカンドオーナー、並行輸入品等は不可となります。」とのこと。国内代理店:ダイアテックHP

MEGA XLの場合
■2年保証期間内:裏蓋部分を無償交換
■2年保証期間外:有償で交換 ¥5,500(税込)

MEGA XL以外の製品
■2年保証期間内:本体交換
■2年保証期間外:本体価格の50%で本体交換

ちなみに私は海外通販で個人輸入しているので修理不可です。それに3年以上使用してますから国内正規品であっても有償ですね。

自力で直します。

修理プランA:ガーミン用爪補修キット

ガーミンのサイコンの爪折れ対策品が、レックマウントから発売されてます。これを使ってガーミンマウントに改造してやる方法が、レザインのサイコン爪折れ対応の定番らしいです。先人たちがチャレンジしている記事が複数ネット上にありますし、ガーミンマウントが使えるメリットがある。

ガーミンマウントはメジャーなので、純正以外にも複数のメーカーが多彩なマウントを安価に販売しています。レザインは純正以外ではレックマウントくらいしか製造してる物を見たことがありません。

これが最も無難かな。ってかガーミンも爪折れすんのかい!

修理プランB:正規品の修理を参考

レザインの爪折れでネット上をさまよっていると、交換してもらったら爪部分が金属製のプレートになってねじ止めした状態に改善されて戻ってきたってブログ記事がありました。https://jake490.exblog.jp/29338841/

現行品はこの状態になって販売されているんでしょうかね?この正規品の修理対応を参考にして、自分で金属製の爪プレートを作って接着してみるプランB。

ただしこれは金属加工の経験と技術と工具が必要になります。一般的にはハードルがかなり高めですが、わたしそうゆう仕事してるもんですからこれもいけると思う。

修理プランC:スマホ向けのガーミンマウントを張り付ける

スマホの裏に両面テープで張り付けるガーミンマウントが売っています。

レザインサイコンの裏側の出っ張りをスパッと切り落として、これを張り付けるプランC。

これが一番お手軽そうではあるが、サイコン裏の出っ張りのすぐ内側にはスピーカーが配置されているので、これをそのまま張り付けるとスピーカが犠牲になりますな。それにサイコン裏は端に行くほど丸みを帯びているので、そのままだと張り付かないかも。何かしらの加工は必要になるかと思います。

プランBで行きましょう

私が選んだのは一番ハードル高めなプランB。正規品がそうやってるんですから私もそうします。

まずは爪の形を測りながら紙に写し取ります。

ホームセンターで買ってきた2㎜厚のアルミ板に型紙を貼り付けて、糸鋸で爪の形に切り出します。鉄板よりアルミの方が柔らかいので加工しやすいです。この時点でみなさん脱落でしょうかね。

切り出したらヤスリとリューターで滑らかに形を整えます。工具も豊富に持ってるんですの。

お次は爪の厚み分をヤスリで削り落とします。2㎜くらいかな。

爪の分削り落としたところ。この後接着剤で貼り合わせるので、食いつきがいいように粗めに仕上げる。

今回使った接着剤はセメダインの SUPER X HYPER ワイド です。なんかめっちゃすごそうな名前ですね。

こいつの特徴は通常の接着剤ではくっつかないような材質にも対応しているのと、耐衝撃性が高い所ですかね。どんな硬化の仕方をするのか事前に紙に塗って試してみたところ、硬化した後も折り曲げられる弾性があるのと表面に強い粘着性があります。カチカチになるような硬化の仕方だとライド中の振動で割れてしまうかと思うので、この接着剤を使用してみました。

接着面に薄く接着剤を塗る。同様に金属の爪プレート側にも塗る。空気中の湿度に反応して硬化するので、5分放置して表面の粘り気が強くなってから貼り合わせる。

貼り合わせて硬化するまで1日放置。後から思ったんだが、貼り合わせてはみ出た接着剤は拭き取っておいた方がいいぞ。硬化した後も粘着性があるので、はみ出た部分にゴミが付着してしまいます。

お次はネジ止めのための下穴を開けていきます。用意したネジは薄鉄板・木材用の2.3×6㎜皿ネジ。なので下穴径は1.8㎜にしました。ここで要注意なのは穴の深さです。サイコン裏の出っ張りのすぐ内側にはスピーカーが埋まっています。なので音が出るスピーカ部分の穴(ひとつ前の写真の中心にある3つの穴のこと)からシャープペンの芯を差し込んで、スピーカーまでの距離を事前に測っておきます。スピーカーまで突き破らないように、ドリル刃にテープで印をつけてあります。

皿ネジの頭が収まるように面取りしていきます。面取りドリル刃はさすがに持ってなかったので、クロスバイクでホームセンターに走る。1,300円くらいしやがった...

うむ、なかなかいいんじゃないかい?

用意したネジの長さがギリ長すぎてスピーカーまで突き破りそうだったので、ネジの先っぽを1㎜程削り落としてあります。下穴開けてあるので先っぽ尖ってなくても大丈夫だしね。

ネジ山とネジ穴にも接着剤を塗って、ネジを締めていきます。

プラスチックにどれだけネジ山が食いついてくれるか心配でしたが、ここまではすごくいい出来。残りの3か所もネジ止めしていきます。

4か所ともネジ止め終了。接着剤で貼り合わせただけでは若干ウニウニ動くような感触があったのですが、ネジ止めしたことでカッチリとした剛性感がでました。一体化した感じです。さらに接着剤が硬化するまで放置。

翌日、マウントに装着してみる。形を整える時に爪の幅が若干細くなったせいで、ねじる方向にちょっぴり遊びが多め。少しカタつきがあるが、実用には全く問題ないレベルです。上出来ではないでしょうか。

作業時間8時間、材料費3,000円くらい。

実走

実走で問題ないか確かめてみましょう。

ハンドルのマウントに装着する時に押し込みながらねじる動作をするので、もげてしまわないか今まで以上に気を使いましたがまったく問題なし。爪プレートと本体の一体感があり、もげなさそうな強さを感じる。

ただしマウントはプラスチックで爪はアルミなので、丁寧に装着しないとプラスチック側が削れるかもね。そうならないようにちゃんと爪の角も落として滑らかに仕上げてはいますが。

お試しにいつもの30㎞ライドにお出かけ。

当然かなりの振動が加わるのですが、これも問題なく脱落することなく無事帰宅。お試し装着した時に感じたカタつきが心配ではありましたが、構造上マウントの下から上に向かって爪プレートを押し付けるように力が加わっているので、走行中も気になる程カタカタするようなことはなかったです。

爪が折れたのが3月で、直したのが10月。その間サイコンはバックポケットに突っ込んでログを取るだけの機械に成り下がっていたのですが、これでまた使えるどん。

うん、満足。

いやまぁそれ以前に爪折れないような製品を作ってくれよとは思うんですが。そういえばレザインのサイコン、なかなかモデルチェンジしませんね。どうした?あきらめたか?

追記:試走も済んだので150㎞ライドに持っていきましたが問題ありませんでした。爪が壊れることはもうこれ以降ないでしょうな。