クロスバイクで初めてのチューブレスレディ施工

クロスバイク
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チューブレス論争うらやましい

チューブレスレディって空気圧を低くできるので、乗り心地が良くなるらしいじゃないですか。ちょっとしたパンクならシーラントが埋めてくれて、そのまま走れるらしいじゃないですか。チューブがいらなくなるので軽くなるよ。出先でパンク修理することになったらシーラントまみれで地獄だぞ。タイヤとホイールの相性でビードが上がらん。運用コストが上がる。

マウンテンバイクではチューブレスレディが当たり前ですが、ロードバイクではいまだチューブレス論争が盛んですね。私のロードバイクはリムブレーキでホイールもクリンチャー専用。そもそもチューブレスレディでの運用ができないので、そんな論争とは無縁です。チューブレスレディのメリット、デメリットはあるでしょうが、新しい技術を体験できるのは楽しいことです。

うらやましい...

TREK FX3
TREK FX3

こちら2016年に買った TREK のクロスバイク。

完成車についていたタイヤですが普通に買ったら1本4千円程するやつで、クロスバイクにしては上等なクリンチャータイヤが付いてきました。金属片を踏んずけても貫通しないほどくっそ丈夫で、8年半ほどでパンクは1度。それも原因はチューブの方だったので、実質はノーパンクでした。

BONTRAGER AW1
BONTRAGER AW1

さすがにタイヤの天辺がすり減って平らになってきましたが、まだ厚みには余裕がある。しかし小さなひび割れは入ってきている。

そういやお前のホイール、いっちょ前にチューブレスレディだったな!?9年近く前のクロスバイクについてきた名もなきホイールですが、本当にチューブレスレディで使えるんですかね...

パーツ選定

パーツの選定です。

まずはメインのタイヤから。今まで使っていたタイヤが1本約400g、チューブが1本125gほどだったので、同等程度の重さ。今使っているタイヤは32Cなのでもうちょっと太いのがいい。あとは日常のお買い物バイクだから、安くて丈夫なやつがいい。

こちらが今回選んだパーツたち。だいたい1万5千円くらいかな?円安の影響で海外メーカーの製品は随分と値上がりしましたが、パナレーサーは安くて助かります。

Panaracer の GRAVELKING SS+ TLR です。その名の通りパナレーサーのグラベル向けのタイヤ。その中でも SS はセンターが杉目パターンでサイド部分は控えめなブロックが配置されているやつで、PLUS は耐パンク性能強化モデル。私の生活圏にグラベルなんてないので全部杉目タイプでもいいのですが、少しごつめな見た目のタイヤで気分をかえてみたくてね。太さは35Cのチューブレスレディ。

タイヤがパナレーサーなのでその他のパーツもパナで揃えます。安いしね。

Panaracer のチューブレスバルブ。安いしバルブキャップがバルブコアツールも兼ねている。44㎜タイプ。

Panaracer のチューブレステープ。これも他社に比べて安い。幅23㎜。

IRC のチューブレスレディシーラント。シーラントもパナレーサーのを選ぶつもりだったんですが、使用温度範囲が5~40℃だったので雪降る地方で使うには不向き。IRC のシーラントはシーラントの定番 STAN’S NOTUBES が作ってます。中身は同じか?IRC は使用温度が書いてなかったのですが、製造元の STAN’S のシーラントは-28℃でも使えるようです。シーラントの補充も考えて500ml。

組付け

それでは組付けていきましょう。(大みそかの夜)

ホイール外幅22㎜、ホイール内幅17㎜。チューブレステープの幅が分からん時は、外幅かそれよりよりちょい大きめのやつを選んどけとのことだったので23㎜幅をチョイスしました。

パーツクリーナできれいにしてから、バルブ穴前後15㎝くらいが2重になるようにリムテープを貼っていきます。

ホイールの真ん中ってU字に窪んでますがそこに沿ってビッタリ貼ればいいんですか?いいんだよね?私が調べた感じでは、ここらへん人によってやり方が様々でふわっとしてます。

シーラントが漏れないようにタイヤレバーできわまでピッチリ貼り付けておきました。

バルブホール上のリムテープに×字にカッターで穴を開けて、チューブレスバルブを突っ込んで固定しました。

これも熱したキリで円形に穴を開けたりと人によって様々。リムテープの施工はいたるところに空気漏れの原因がありそうで、良し悪しは人によってずいぶんと差がでそうですね。

お次はタイヤをはめ込んでいきます。バルブの反対側から。

チューブレスタイヤは、はめるのがめっちゃ固いって聞きましたがその通りでした。ビード部分が傷つきにくいので手ではめ込んだ方が良いらしいですが、ビードを中央に落とそうが、端から寄せていこうが無理でした。なので最後はタイヤレバーを使ってはめ込みました。必死過ぎて写真は無し。

タイヤはめたのでフロアポンプでビードが上がるか試してみます。

フロアポンプではなかなかビードが上がらんらしいね。ポンピングするとリムとビードの隙間から空気が漏れ出る音がしますが、お構いなしに高速ポンピング!最高で4.5berくらいまで空気が入りビードも上がり切ったと思いきや、ポンピングをやめると空気が抜けていき一部のビードが落ちてしまいました。

リムに石鹸水を塗るとか、チューブを入れて片側のビードだけ先に上げておいてやると残りのビードも上がりやすくなるとか、いろいろ方法はあるようですが、タイヤはめるのに格闘した後なのでもうめんどくさい。ビードほぼ上がり切るところまではいっていたので、もうシーラント入れてしまいます。

シーラントはバルブコアを外してシリンジで入れていきます。バルブキャップがコア外し工具になってて便利。

ダイソーで買ってきたシリンジがバルブにジャストフィットです。この状態でシリンジに注ぎ込んでピストンを装着して注入、しようと思ってたんですがシーラントしゃばしゃばなのでピストンしなくてもタイヤ内に吸い込まれて行きます。60ml入れるつもりだったんですが、たぶん80mlは入っちゃった。

バルブコアを戻して再び高速ポンピング。

先ほどと同じくビードが上がり切らなくて空気が漏れ出ている部分には、ホイールを傾けてシーラントをいきわたらせてやりつつポンピングすれば、

ほーれ全部上がった!

リムとタイヤの隙間からブシュブシュとシーラントが噴き出てたりするんですがこれでOK?初めてなんで成功なのかもよくわからんのだが、ビードラインも全部見えてるので成功なんだろう。

フロント成功したのでリヤも同様に。

溶接の継ぎ目から噴き出てるんですけど大丈夫かぁこれ?あとはホイール回したり傾けたりしてシーラントをなじませて一晩放置。

ふぅ~、初めてだったので作業時間たっぷり2時間かかりました。何とか年を越す前に作業終了。

一晩経ったら空気漏れ止まってました。あんなにシャバシャバなのにシーラントってすごいね。ちょっとした穴なら塞いでしまうのも納得です。

実走

以前のクリンチャータイヤは1本400g、チューブ125g、リムテープは計ってない。空気圧は4.5berで運用。32C。スリックタイヤ。

新しいタイヤは1本450g、シーラント80ml、リムテープは計ってないがクリンチャーよりは軽い、チューブレスバルブ4g。チューブレス運用では空気圧上限が4.5ber(チューブお入れて運用なら上限5.25ber)なので、なんとなくで3berに設定。35C(実測では幅36.5㎜)。セミブロックタイヤ。

タイヤ幅は太くなりましたがタイヤ周りの重さはほぼ一緒です。あと空気圧を今までよりずいぶんと下げて設定しました。茶色サイドになるとワイルド感が増して雰囲気が変わるね。

それでは初のチューブレスレディタイヤの実走です。新年の初走り。

まず初めに感じたのは微振動が増えたかな?これはスリックからセミブロックに変わったからでしょうね。でもセンターは杉目パターンなので大した振動ではありません。

それよりもアスファルトの継ぎ目、歩道と道路の間のブロック、線路を渡る時など、明らかに大きめの振動が滑らかになりましたね。タイヤの差も当然あると思いますが、空気圧を下げられたのが最も大きいでしょうね。そしてまだまだ下げられる余裕が感じられます。

3berの状態から1週間放置で空気圧は2.5ber。空気の抜けもこんなもんですかね。

そのまま2.5berで走行。

やはり空気圧が低くなる程乗り心地は良くなるが、転がり抵抗は高くなる。これは当然なのですが、空気圧の下限がクリンチャーよりずっと低く設定できるのはチューブレス最大の利点ですね。走る状況に合わせて自由に空気圧を設定できます。

さらに空気圧を下げて河川敷の芝や砂利にあるところも走りましたが、乗り心地は最高。もう別の乗り物になったな。

チューブレスレディ使う?使わない?

チューブレスレディの乗り心地最高です。一度体感したらチューブに戻れないと言われるのも納得ですね。この点に関しては大満足です。道端の段差すら楽しくなった。

このクロスバイク。ロードバイクを買ってからは完全に日常のお買い物バイクになっていたのでもうなんのワクワク感も感じなくなっていましたが、今は楽しさが復活しています。

ただし組付けの手間はかかったし、チューブレステープの施工やリムとタイヤの相性など、失敗する要素もたくさんありますね。

あとコストは確実に上がります。チューブレスレディタイヤはクリンチャーよりも高いですし、定期的にシーラントを補充しなくてはならないのでパンクしてなくても地味にお金がかかります。お買い物用バイクにはちょっと贅沢すぎるな。

今のところ手間とコストよりも、低圧で運用できる乗り心地の良さの方が上回っているので、今回チューブレスレディ化してよかったとは思っている。

ただしシーラントで止まらない場合のパンク修理や、タイヤが暴発してシーラントまみれなど、チューブレスレディ特有のトラブルを経験していないから言えるのかもしれないので、長い目で見てから改めて判断する必要があるな。